いつもコーヒー便り | 日記 | 2012年2月号

早いものですね、新年がスタートし１ヶ月が経過しました。例年慌ててバレンタインデーのブレンドを作ったり、チョコとコーヒーのセットを作ったりとバタバタする２月ですが今年はいつもと違って少し余裕が出せるように早めに行動を開始しました。
皆様良いスタートを切れたでしょうか？
「1月行く、2月逃げる、3月去る」という言葉があります。１月は正月があって多忙、２月は普段の月より日が短く、3月は学生にとっては卒業、企業にとっては年度末決算と超多忙な月となります。
我が家の娘も中学卒業となります。この記事を書いているころは入試の準備で佳境を迎えていることでしょう。ローストマスターは田舎育ちなので行き先の学校は何も考えなくても決まっていました。それに比べると都会の子供たちは大変ですね。選択肢がたくさんあって競争相手もたくさんいます。
４月には晴れやかに高校に通ってもらいたいものです。

１．二つのコーヒー伝説
コーヒーはいつ、どこで発見されたか？ってご存知ですか？
諸説ありますが、一つはエチオピア（アフリカ）説、一つはエチオピアから紅海を挟んでのイエメン（アラビア半島）説。普段聞きなれない国名ですよね。何処にあるか分からない方は世界地図を用意して探してみるのもいいですね。
これまでの調査・研究からエチオピアがコーヒーの原産地であることは間違いなさそうなので今回はエチオピア伝説をご紹介します。
伝説と言ってもきちんとした文献（『眠りを知らない修道院』1671年）をベースにした伝説です。
少し話がそれますが、地球上のヒトの祖先はアフリカで誕生してその後世界中に伝播していったとする学説がありますが、アフリカでのコーヒーの発見と伝播とが重なります。とても興味深いことですね。

２．エチオピア　カルディのコーヒー伝説
脚色はしませんが、日本昔話風にすると。
昔むかし６～８世紀頃のエチオピア南西部カファ地方にカルディという名のヤギ飼いの少年が住んでおったそうな。
ある日カルディはヤギを連れて森に来ておった。やがて一日が暮れようとしたころカルディの耳にヤギの鳴き声が聞こえました。
『大変だ！一頭たりない！！』
すると深い森の中で一頭のヤギがピョンピョンはねて踊っているような姿が見えよった。
迷子のヤギは一本の木に実った《赤い実》を食べたのです。
カルディも赤い実をたべてみました。すると体にみるみると力がみなぎりヤギと同じように踊りだしたくなるような愉快な気分になったとさ。
『これはみんなを元気にする魔法の実に違いない！！』と赤い実を持ち帰りました。
カルディは修道院の司祭にこの出来事を話しましたが信じてくれません。ある僧侶がその赤い実を口にすると踊りだしたいような気分になったのです。さらにその夜の厳しい祈りの修行では目をらんらんと輝かせていたのです。
不思議に思った司祭は『ええい。いまいましい！悪魔の仕業にちがいない！』と赤い実を燃え盛る炎めがけて投げつけました。
するとどうでしょう。煙がではじめ良い香りが漂い始めたのです。その場にいたみんながうっとりとした気分になりました。

カルディとヤギが見つけた赤い実はエチオピアから他の国へ次々と伝えられ、コーヒーという飲み物になったとさ。
カルディが住んでいた『カファ』という地名が『コーヒー』という名前の由来になったんじゃと。
目出度しめでたし！！
以上でカルディのコーヒー伝説は終りです。聞いたことのある方いっぱいいるでしょう。

《編集後記》
全国的に寒い１月でしたね。北海道岩見沢市では陸の孤島とされるほどの大雪でした。札幌の雪は例年並みですが気温はいつもより低かったと思います。《いつもコーヒー》の事務所は焙煎しだすとポカポカですがそれ以外は寒さに震えながらの作業です。室内から煙突を2本外に出している為、外気がもろに煙突を通じて入ってきます。しかし、こればかりはどうしようもなりません。
春が待ち遠しい季節です。

それでは3月号をお楽しみに。